冷凍配送・冷蔵配送の基礎知識 3温度帯の違いや主要配送サービスを徹底解説

2023年5月28日


食品や医薬品の配送では、積み荷の種類に合わせて「温度帯」を設定するのが一般的です。たとえば、生鮮食品は品質保持のため、冷蔵状態で輸送しなければなりません。さらに低温の輸送環境が必要な荷物もあり、その場合は冷凍状態で目的地まで届けます。

今回は、意外と知られてない冷凍配送・冷蔵配送の基礎知識を徹底解説します。

配送における温度帯とは?



一般的に配送では、「常温」「冷蔵」「冷凍」といった3種類の温度帯が指定されます。温度帯が不適切な場合、積み荷の品質に影響を及ぼす可能性があります。

ここでは、冷蔵配送と冷凍配送の特徴を解説するとともに、冷蔵・冷凍を組み合わせた流通形態、「冷チル配送」についてご紹介します。

冷蔵配送とは?

冷蔵配送、商品を‐5℃~5℃の範囲内で運ぶ流通形態です。主に鮮魚、乳製品、発酵食品、精肉、練り製品、フルーツ加工品などの生鮮食品などの配送に用いられます。また、飲料や調味料、薬剤などの配送にもおいても活用されます。
上記以外にも夏場にはワインやお弁当の配送で使われることもあります。

冷蔵配送の目的は、商品の品質維持にほかなりません。生鮮食品を例に挙げると、不適切な温度設定は商品の鮮度を保てず、腐敗や変色、風味の劣化を招きます。一定の温度を維持することが重要で、荷室の温度が低すぎたり、温度変化の差が大きすぎたりしてもいけません。

冷蔵配送では、包装材に段ボールが多用されます。「中空構造」の段ボールは保冷性能が高く、冷蔵配送に適しています。

なお、鮮魚などを配送する場合は、発泡スチロールに水と氷を入れて覆い、その上から蓋をします。発泡スチロールは保冷性が高いだけでなく、段ボールより水分に強く、密閉性が高くなっています。このように、積み荷にあわせて包装材や梱包方法を変えるのが基本です。

冷凍配送とは?

冷凍配送は、-15℃以下の冷凍状態で商品を運ぶ流通形態です。「フローズン」ともいい、専用設備を搭載した「冷凍車」を用いて輸送します。アイスクリームや冷凍食品、医薬品など、品質維持に低温が要求される商品の輸送に欠かせません。

冷凍車は、搭載する冷凍設備を動かすための「仕組み」にいくつかの種類があります。もっともポピュラーなのが「機械式冷凍車」です。エンジンにコンプレッサーを搭載しており、エアコンと同じく仕組みで、荷室を-15℃以下に保ちます。なお、一般的に車両のエンジンが停止すると冷凍設備も機能しなくなるため、積み込み・荷下ろしのエンジン停止時は、温度上昇を防ぐために、補助的にドライアイスなどを使用することもあります

機械式冷凍車の中には別途、冷凍設備を動かすためのエンジンや発電機を搭載する車両があります。エンジンを切っても冷凍設備が稼働することで、アイドリングストップになり、燃費向上やCO2排出削減に貢献すると考えられています。

冷チル配送とは?

冷チル配送は、冷蔵と冷凍を組み合わせた特殊な流通形態で、「フローズンチルド」といいます。

身近な例では、大手コンビニチェーンの加工食品に冷チル配送が採用されています。具体的には、工場での食品製造後に冷凍保管し、出荷時に「冷蔵保存」に変更します。冷凍と冷蔵を組み合わせることで、食品の長期保管や物流の効率化が期待できます。

冷凍配送の梱包手順と注意点



冷凍配送の梱包手順と注意点をご説明します。なお、梱包手順は荷主様視点、注意点は運送会社視点での解説となります。双方の視点から冷凍配送について考え、理解を深めていきましょう。

冷凍配送の梱包手順

まずは、包装材と配送する商品に適した冷凍材(保冷剤)、緩衝材、ガムテープを用意します。包装材は段ボール、発泡スチロール、後述する「オリコン」などを使い分けます。

包装材に緩衝材を敷き、商品を入れてください。さらに緩衝材を隙間なく詰め、商品が内部で動かないように固定します。ガムテープで封をしたら、冷凍配送を示すラベルと伝票を包装材に貼りましょう。

上記は一例であり、理想的には商品に応じて包装材や梱包手順を変えることです。

たとえば、段ボールと同じく多用される梱包材として、「折りたたみコンテナボックス」の略である「オリコン」が挙げられます。文字通り、折りたたんで収納できるためスペースを取らず、スタッキング(積み重ね)が容易であることから、配送現場で重宝されています。

最近は温度管理に対応した「業務用保冷オリコン」が登場し、冷凍配送にも使えるようになりました。また、食品業界では「番重(ばんじゅう)」と呼ばれるプラスティック製の箱が使われます。麺類やパン類の冷蔵・常温配送に多用されるため、あわせて覚えておきましょう。

冷凍配送時の注意点

冷凍配送では、商品積み込み前の「車両荷室予冷」が欠かせません。予冷時間の目安は積み込み前の約1時間前から開始します。予冷が不十分だと出荷後・輸送中に商品の品質が低下する恐れがあります。

こうした問題は、「ハコブリッジ」をはじめとする物流のプロフェッショナルに相談するのがベストです。このほか、冷凍配送は受け取り日時に指定があったり、配送料金が割高だったりします。

主な冷凍配送サービスとは?

ここでは、大手配送会社2社の冷凍配送サービスについて解説します。それぞれの特徴を比較しながら見ていきましょう。

佐川急便の「飛脚クール便」

「飛脚クール便」は、「佐川急便」が提供する冷蔵配送・冷凍配送サービスです。他社のクール便に比べて大きな容量(三辺合計140cm以内・重量20kg以内)を扱えることが特徴です。そのため、大きなサイズの商品や、大口の食数や多品目をお送りする際に便利でしょう。

また、お荷物の受付時間は各営業所によって異なりますが、多くの営業所は夜19頃までとなり、配達は最短翌日~3日先までの指定配達日が選択で可能です。

ヤマト運輸の「クール宅急便」

「クール宅急便」は、「ヤマト運輸」が提供する冷蔵配送・冷凍配送サービスです。佐川急便と同様に最大3日先までの配達日指定が可能となっています。また、産地直送の顧客管理システム機能の提供など配送以外のサービスも提供ができる魅力の多い配送サービスです。

「クール宅急便」は原則、荷物のサイズに応じて料金が決まります。140サイズ以上、15㎏以上の商品は受付ができません。そのため、サイズ、重量を加味した出荷を行わなくていけないため、小分け商品や少ない量の出荷には向いているため、食品や医薬品など、冷凍・冷蔵が必要な品の配送に最適です。

なお、お荷物の受付時間は佐川急便同様に各営業所によって異なりますが、多くの営業所は夜19頃までの受付となります。

▼▼各運送会社の受付時間について詳しく調べた内容はこちら▼▼
【24時間受付の配送会社はある?大手配送会社の受付時間を徹底比較!】をご覧ください。

▼▼その他の運送会社サービスについて調べた内容はこちら▼▼
【2023年最新版】徹底比較!冷凍冷蔵宅配の配送サービス比較&当日配送の課題対策!をご覧ください。

冷凍・冷蔵配送ならお任せ!ハコブリッジとは?

「ハコブリッジ」は、ビジネス便に特化した配送マッチングサービスです。3温度帯で利用でき、常温はもちろん、冷蔵配送・冷凍配送にも対応します。何らかの理由で配送トラブルが生じたとき、緊急配送が必要なときは、「配送をアウトソーシング」するのがおすすめです。

「ハコブリッジ」には、一般的な配送会社にはない強みがあります。

「ハコブリッジ」は一般的な配送会社と違い、当日発送の締め切り時間がありません。お客様のエリアにかかわらず、24時間365日いつでも集荷・発送できるのが強みです。これにより、深夜に積み荷を持ち込んで早朝に発送……といったタイムロスを削減することが可能です。

常にオペレーターが24時間365日、お客様のお問い合わせから成約・運行後にまで、包括的にサポートします。また、地場配送から全国配送まで日本全国対応可能です。距離的に当日配送が難しい遠方でも、空陸一貫型配送サービス「ハコJET(ハコジェット)」を利用することで、当日配送を実現します。

上記2社においても、荷物を24時間持ち込める営業所は点在します。しかし、お客様一人ひとりをオペレーターがサポートし、その上で全国当日配送を可能にしているのは、「ハコブリッジ」ならではの特長です。

まとめ

生鮮食品などの品質維持に欠かせない冷凍配送・冷蔵配送は、「ハコブリッジ」にお任せください。会員登録は無料で、Webや電話、Faxから申し込みできます。配送トラブル発生時など、冷蔵・冷凍商品の緊急配送が必要に便利です。まずは配送料金の簡易見積りから始めましょう。

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